子どものアレルギー性鼻炎
花粉症について
子どものアレルギー性鼻炎は、特定の季節に症状があらわれる季節性のものと、一年間を通して症状があらわれる通年性のものにわけることができます。
原因
くしゃみや鼻水などの症状は本来、外から侵入しようとする病原菌や異物から身体をまもるための自然な反応なのですが、アレルギーではそのメカニズムが過敏反応をおこしています。
季節性のアレルギー性鼻炎の代表的なものとして、花粉症があげられます。1月下旬から春にかけてはスギやヒノキの花粉、春から夏にかけてはカモガヤ、ハルガヤなどのイネ科の植物の花粉、晩夏から秋にかけてはブタクサやヨモギの花粉が飛散します。これらの花粉が鼻の粘膜に付着することでアレルギー症状を起こします。
一方、通年性のアレルギー性鼻炎は、季節に関係なくアレルゲンが鼻に入ることによって起こります。よく知られているものとしては、ダニ、真菌(カビ)、ハウスダスト、ペットの毛やフケのほか、PM2.5や黄砂などがあります。
症状
季節性のものも通年性のものも、症状は同じです。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりが主な症状です。また鼻症状以外にも眼のかゆみ、のどがイガイガする、空咳がでる、声がかれるなどの症状や耳が痒くなることもあります。
診断とアレルギー検査
症状や発症時期などの問診、診察所見から総合的に診断します。
必要に応じて血液検査を行うこともあります。当院ではお子さんにも負担が少ないイムノキャップラピッドという検査方法を導入しています。(患者さんの指先から痛みの少ない針で少量の採血をし、20分で結果が判明します)
子どものアレルギー性鼻炎
花粉症の治療方法
遺伝や体質との関連もあり、アレルギー性鼻炎を完治することは難しいのですが、症状を軽くすることは出来ます。日常生活では、アレルギーの原因となる物質(アレルゲン)を避けることが大切です。
外出先から戻ったら服についた花粉やほこりなどを入り口で落とす、掃除をこまめにする、洗顔やうがいをする、入浴やシャワーで洗い流すなどの対策があります。その上で症状に応じて抗アレルギー薬やステロイド薬の内服・点鼻・点眼などをおこないます。
内服薬は錠剤のほかシロップやドライシロップ、チュアブル(口の中で溶ける)など、お子さんにも負担なく飲みやすいものを用意しておりますのでご安心ください。
また、舌下免疫療法というアレルゲンを身体に慣らしていく治療もあります(5歳以上)。